気まぐれタンヒット

したしとが書いている雑記ブログです。

ドラマわたしを離さないで6話感想

f:id:shitashito:20160220121912j:image(絵は深谷id:fukayan0628より)

絵と文章の内容は打ち合わせ無しなのでこの記事内で反対のことを言っている箇所も合わせてどうぞ。

では。

実際血が流れるんですけど血生臭い回であり、役者の名前が分からないので役名にてマナミの活動の落とし所がなんだかなと思う回であり、水川あさみが蘇る回でした。

なかなか考え込む内容です。うーむ。

今回で作品テーマの脆いところが露わになったように思う。彼らをこの世界に抱え込むにはあまりに条件が現代とかけ離れすぎているのに、見た感じが現代な部分がこう、時間が長いドラマで事細かに描き出すと主演3人の感情の揺れ動きがリアルな為、条件の脆さが余計にあぶり出されていく。

実用はまだ先にしてもips細胞の存在が今は知れ渡っているこの世の中です。

私たちが暮らしを重ねている社会とあまりに違わぬ場所で立候補者のマイク奪って

「私たちは生きてます」

って、育った彼らがいつかそう思うようになるだろうとクローンに携わった人は思わなかったのか。寮が複数あって市民に提供者ですと言って通じるぐらい認知されている、それほどの人数を作っている。そして施設まで立てて育てているってのはリスキーすぎるし凄い無駄な、かつ都合の悪いものがほとんどのことをやったバカバカしさは例え時代設定が前世紀にしても納得がいかない。

なんて糞な世の中なんだと視聴者に思わせて何になる。そこらへんを描きだすとそう思うのはもう仕方がない。分かりやすい態度の警察の描きかたも気になった。

6話まで感想を書いて今更な感じはするんだけれど、初回からマナミの立ち位置は彼らの気持ちに私たちが寄り添う上で疑問に思う

「なぜ抗わないのか」

の答えを見せてくれると期待し視聴していた。今回でマナミが見せた行動はこれまでの軌跡からすると自然な行動であり、語る言葉も彼らの不遇をよく表していたように思う。しかし抗って彼らが権利を勝ち取ることで一体この作品世界にもたらされるものを想像したとき、代わりに掠れてしまう何かがこの作品の一番重要なもののひとつでもあるとも思い当たったのです。

限られた時間、決められた場所での生活、固定された将来。各々の要素から導き出されたどうにもならない気持ちからくる人間関係と彼らが抗おうとする行動が同時に表されることによってどちらもぼやける。

私は抗った先に何を望んでいたのか。彼らは私たちと同じ人間だ。だから将来の夢も選べるべきで、住む場所も自由にでき、子供も授かれるべきだ。でも私がそんな願いを成就できる終わりを望んでいたのかというとそうでもなかった。

現実世界で普段に享受しているあれやこれらを失い続けた先に抱くであろう気持ちを彼らを介した私たちがもう一度出逢えたときに一番に思うのが果たして自由は大事ってことなのか。そもそも作品のテーマをわたしはそこに感じなかった。

自由を手に入れようとしていたマナミらの行動を途中から白けた目で見てしまっていた。それは演技がカタコトなのも多分に影響してはいるが、彼らが目指したそちらの方角には私たちがいる。でも、私たちからすればそれはなんの変哲もない人間になることだ。

同じになれるなら今までの話で抱いてきた気持ちは途中で終わる。だからマユミの居場所はここまでだったと思えば、来週から新章なので気持ち一転、主演3人の心の揺れ動きに注目しようと思ったところでこのもやもやをひとまず隅に置いておきます。

今回はここまで。